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茶畑 SR times 第13号 「防災講演会」

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SR13号写真1

 9月12日(木)に防災講演会が行われました。講師に東北大学災害科学国際研究所寄附研究部門地震津波リスク評価のSUPPASRI ANAWAT(サッパシー・アナワット)先生をお招きし, 『津波災害と防災対策 -東日本大震災の復興と課題- 』をテーマとして東日本大震災の復興とその課題についてお話をいただきました。この講演会の目的は,10月から始まる「災害研究」の研究分野の選択 と研究内容の参考とすることです。
 「災害研究」の目的は大きく分けて2つあります。1つ目は自然災害による被害,原因,復旧・復興状況,防災・減災をテーマとしたグループ研究を通して,情報を収集・分析・活用する能力や論理的思考力 を養うことです。2つ目は各分野の専門家や大学院生などの指導助言を受けながら研究の仕方や論文・レポートの書き方の基本について学ぶほか,12月に行われるポスター発表会での質疑応答を通じ, 表現・伝達の能力の発展を図ることです。
 今回は先生の講演の中から「過去の地震」「津波のメカニズム」「東日本大震災後の防災・復興計画」の3つについてお伝えします。

過去の地震

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 M9.0以上の超巨大地震はある程度周期的に発生しています。アナワット先生は2004年に起きたインド洋大津波について特に詳しく解説してくださいました。この津波はインド洋で起きたM9.3の地震 (スマトラ島地震)により高さ十数メートルの巨大な津波が押し寄せ,インドネシア・タイ・マレーシアなどの沿岸部に大きな被害をもたらしました。現在では各国政府の復興計画に基づいて復興が進み, 復興事業はほぼ終了したそうです。
 日本国内でも大きな津波を伴う地震がたくさん発生しています。
(太字は宮城県に大きな被害をもたらしたもの)
 ○1933年…昭和三陸地震・津波
 ○1978年…宮城県沖地震
 ○1983年…日本海中部地震(秋田・山形)
 ○1993年…北海道南西沖地震(北海道 奥尻島)
 などの地震が挙げられます。
 また,津波にも大きく二つの種類があります。
① 近地津波
→地震発生後1~2時間で発生する津波
 (上にあげた地震による津波など)
② 遠地津波
→①より後から発生する津波
 ※揺れがないのに津波が来る場合もある。
 (1960年チリ地震津波,三陸はるか沖津波など)

東日本大震災後の被災地の防災・復興

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 世界最大の防波堤(岩手県宮古市)
・最大水深63mで,「世界最大の防波堤」としてギネ
 スブックに登録。ケーソン工法(コンクリート,鋼製の
 巨大な箱を用いた工法)を用いて作られた。津波で
 破壊されるも,市街地への津波の浸水を6分遅らせ
 た。
 高地居住(岩手県大船渡市唐丹)
・津波の届かない高地に移り住む。この震災でも高台
 移転が事業化されているが土地が足りない等の諸
 問題があり,あまり進んでいない。
 防潮林(岩手県陸前高田市)
・津波,高潮,潮風の防止を目的に作られた人工の森林。震災前にあった高田松原は震災
 で全壊したが,「奇跡の一本松」が1本だけ残り,復興のモニュメントとして注目を浴びて
 いる。
 水門(岩手県普代村)
・河川の水の流れや量を調節し,堤防としての役割を果たす。震災時は水門を閉めようとし
 て多くの地域の消防団員が殉職することになってしまった。そのため,遠隔操作できる水
 門の整備が実用化に向けて研究されている。

アナワット先生からのおすすめ研究テーマ例

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○ビデオを使っての津波の速度や範囲の観察
○地形調査により,リアス式海岸・平野での復興状況
 の差を調べる。
○避難時間マップ・ハザードマップの作成
○復興・災害の伝承について
○データベースをもとに,今後発生が予想される東海
 ・東南海・南海地震による津波の高さの予測

編集後記

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 今回の講演会は地震やその関連事項について専門的なお話を頂きました。震災から2年半が経過して講演を聞き,皆さんの中でも改めて感じることがあったと思います。 今回の災害研究は2クラス合同でのグループ活動となります。生物実習の時とは異なり共通の興味を持つメンバー同士でのグループ編成となるので,その中で互いに刺激し合い, 素晴らしいレポートを作成してほしいと思います。
                       (学術研究委員)

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