SSH(スーパーサイエンスハイスクール)

茶畑 SR times 第20号 「Quark-Net講演会」

SR20号ロゴ

 6月11日,12日の2日間,アメリカからいらっしゃった講師のKenneth Cecire先生, Michael Wadness先生, Martin Shaffer先生と東北大学大学院理学研究科 物理学専攻助教の石川明正先生の計4名と本校のJeffry Moomaugh先生,磯部先生,平内先生,小野(光)先生の方々による,SS物理Ⅰ選択者を対象とした国際リニア コライダー(以下ILC)についての講演会とクラスごとの実習,放課後には宇宙線についてのワークショップがありました。

●国際リニアコライダーについての全体講演会

SR20号写真1  6月11日(水)6時間目に石川明正先生によるILCについての講演が2年生物理選択者全員に対して行われました。ILC計画というのは,世界中の数千人もの科学者が実現に 向けて20年以上研究を進めてきた全長30km以上もある直線型加速器を造る計画です。加速器というのは粒子に大きなエネルギーを与えて加速させる装置で,ILCでは電子 と陽電子を光速近くまで加速して正面衝突させます。そうすることで,まだわかっていない暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギー(ダークエネルギー), ヒッグス粒子などについて調べることができるかもしれません。ヒッグス粒子は神の粒子とも呼ばれ,1964年ピーター・ヒッグス氏が存在を予言し,最近になって ようやく発見された粒子です。このビックス粒子は物質に質量をもたらす粒子であり,この予言は2013年にノーベル賞を受賞しました。

●クラスごとの実習

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 6月12日(木)各クラス1時間ずつ物理実験室で3人の講師と本校の教員3人の方々によるILCについての実習が英語で行われました。生徒を電子や陽電子などに見立てて, 教室でILCの内部を再現し,わかりやすく,楽しく,教えてくださいました。その後,電子と陽電子を衝突させたシミュレーションの結果のさまざまな画像を,4人ずつの 班に分かれて「2 jets(2つのジェット)」「2 leptons(2つのレプトン)」「more than 2 leptons(2つより多いレプトン)」「unusual(珍しい)」の4つに分類しました。
SR20号写真3
 その後,それぞれの班のデータを集計して,すべての班のとったデータを見ることで,そこからどれが一番多いのか?どれが一番少ないのか?などを考え,考察し, 科学者さながらの素晴らしい体験をしました。講師の方々によれば「unusual」つまり,いつもと違ったことこそが大事で,これを見逃さずしっかりと観察,研究をする ことでヒッグス粒子のようにノーベル賞をもとれるようなすばらしい発見につながるかもしれないそうです。

●放課後の部

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 全体講演会・実習のあった日の放課後2日間に渡って,有志生徒を対象として,3人の講師の方々による宇宙線についてのワークショップがありました。



1日目:物理部生徒による宇宙線についての研究発表とそれについてのアドバイス
◎研究内容「Comparison of Cosmic Ray Data around the World
                        (世界の宇宙線量の比較に関する研究)」
 先生方のアドバイスなど
  →この研究には世界中の宇宙線量のデータが必要であるため,今回入手でき
   なかった地域の宇宙線量のデータを入手し,比較をしていくべき。
◎研究内容「The East-West Effect on Cosmic Rays
            (地球の磁場による東西での宇宙線量に違いについての研究)」
 先生方のアドバイスなど
  →実験回数を重ねることより精度を増すこと。ドイツでも同様の研究をしている
   ので共同で行ってみたらどうか。

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2日目:
 本校生徒が宇宙線研究をする際に使用しているサイトの運営もしている先生方に,より正確な宇宙線の測定方法をアドバイスしていただきました。


●感想

  •  講演会では,前々から興味を持っていた素粒子物理について聞くことができました。また,2日目の英語での授業はあまり聞き取ることができませんでしたが, 磯部先生の説明や図を使った説明などで少しは理解することができました。そして,今度岩手県にできる予定のILCについて,実際に研究している先生方の話を聞く ことができてよい経験になりました。
  •  今まで物理英語の時間はあまり意味のある授業ではないと思っていましたが,今回の講演や英語での授業を聞いてみて,将来,科学を学んでいくうえで英語は とても大切であるということがわかりました。普通の英語の授業だけではわからなかったであろう単語などを,物理英語の授業のおかげで少しは聞き取ることが できました。これからは,広い視野を持って授業に臨みたいです。

●編集後記

SR20号写真6  今回の講演はILCということについてのものでした。これは,十数年後にはこの日本,しかも宮城県と岩手県との間という私たちにとって比較的身近な地域に完成する 予定だそうです。今回の講演を聞いた中にも将来東北大に入り,実際にこの施設で研究をする人材が1人でも多く出てくることを期待します。そのためにも,日ごろの授業 を大切にして教養を身につけましょう。

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